噛む力

アドバイザーの川口正人です。

たっぷり遊んで空腹になって食べる
愛情たっぷりのご飯は格別の味ですよね。

きっとお腹も心も満足してくれると思います。

さて,食べる力がついてくると
次に気になるのが「噛む力」です。

しっかり噛むと唾液が沢山出て消化を助けてくれ,
栄養の吸収も良くなります。

日本の食事は本当に良く考えられていて,
和食の基本である一汁一菜の食事文化は
ユネスコの無形文化遺産に登録されるほどです。

そんな食事をよーく噛んで食べると
更に体に美味しい食事になります。

良く噛むためには顎の力が必要です。

赤ちゃんのお食い初めに
歯固めの石を用意されるのも,
丈夫な歯と顎に育って欲しいとの
願いが込められているのでしょうね。

しかし,現代の日常の食事はどうでしょうか。

子どもには,ハンバーグやスパゲッティ等の柔らかい物が人気です。

テレビのグルメリポーターが良く口にするフレーズ,
「柔らかくて,美味しい」とか
「口の中に入れると溶ける〜」
が美味しい食事の代名詞みたいになっていて,
噛まない食事が美味しい食事になっているようです。

そのことで益々顎の骨が弱くなり
顔が小さくなっているような気がします。

また,折角お汁が用意されているのに
食事中に水を飲む人が多いような気がします。

食事中に水を飲むと唾液が薄くなって
胃の負担が大きくなり,消化不良や
便の調子が悪くなってしまいますし,
噛まずに流し込んでしまうので,
噛む力も弱くなり唾液の分泌も悪くなり,
虫歯の原因になってしまうなど悪いことだらけです。

日常の食事を見直し,固いものやよく噛まないと
飲み込めない食事を考えてみてください。

それと食事中に水を飲む習慣を無くすことから始めてください。

更に顎の力が弱いと口呼吸になりやすくなり,
病気になりやすい体になってしまうので,
噛む力はとても大切です。

噛む力をつけ,口呼吸から鼻呼吸に変える
良い体操があり,てくてくに体験に来られた方に
お勧めしているのが「あいうべ体操」です。

とても簡単ですから是非,
「ゆびのば体操」とセットで行ってください。

生活習慣はなかなか変えられないので
大変だと思いますが,新しい生活習慣に
この二つの体操を取り入れて,
親子共々健康な心と体を作っていきましょう。

***

スタッフの鈴江知明です。

いきなり歯や顎のために食事を変えるとなると
続けるというハードルが高くなるので,
日頃からできる簡単な良い選択をしてみましょう。
(もちろん子供だけではなく大人もですね)

例えば,

パンを食べるならロールパン等ではなく
バゲットなどのハード系のパンにする

ご飯を少し固めに炊く

具材を大きめに切る
(子供用にはつい小さく切ってしまいますが,
 丸飲みを応援してしまいます。
 前歯を使う事を意識して
 具材を切ってみましょう)

などなど,色んなアイディアがあるかと思います。

面倒だなと思うと続けられないので,
気軽に取り入れられる所から始めてみませんか?

***

スタッフの吉村正浩です。

よく噛んで食べることが大切だと
頭で分かっていても,
日常の中で続けるのはなかなこ難しいですね。

つい,ほとんど噛まずに飲み込んでしまいます。

かといって「よく噛みなさい!」
とガミガミ言うのは避けたいですし,
自身も「がんばろう」という気合
だけでは継続できません。

そこで,楽しんだり習慣化することが必要かなと思います。

いくつかご紹介します。

わくわく子どもえんでは,
いただきますの際に,
「よく噛んで,いただきます!」
と言っていました。

それだけで無意識の中に「よく噛む」
ということが印象づけられることでしょう。

次に,あるお医者さんに勧められたのは,
「最初の一口だけ,ひと噛みごとに
『あ,り,が,と,う,ご,ざ,い,ま,す,(×3)』と心の中でいいながら噛む。」というものでした。

10文字×3なので30回噛むことになります。

最初にこれをすると,その後は気にしなくても
自然に少し噛む回数が増えるそうです。

最後に,小学校では歯科指導や
理科の時間などに唾液の役割を学習した際,
よく噛むとでんぷんが糖に変わって甘くなる
ということを学年に合わせて伝えてきました。

そうすると興味をもってくれた子は
給食中に一生懸命噛んで,

「甘くなった!」
「そんなに甘くならないよ!」

などと,楽しんでたくさん噛んでいました。

無理せず,がんばらず,楽しんで噛む回数を増やしていけると良いですね。

***

〜川口正人おすすめの本〜

今井 一彰 著
「免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」—リウマチ,アトピー,潰瘍性大腸炎にも効いた! 」
( https://www.amazon.co.jp/dp/4837612172 )

今井 一彰 著
「正しく「鼻呼吸」すれば病気にならない」
( https://www.amazon.co.jp/dp/4309498450 )

おすすめ文は価値観を押し付けて
しまうのであえて書きませんが,
まだ読んだことのない方には
ぜひ読んでいただきたい一冊です。