味わい方はいろいろ

川口正人です。

すっかり秋になったかと思ったら
急に夏日になったりして
眠りかけた熊さんも
びっくりしていると思います。

季節の変化を味わうのも歩く楽しみですね

寒くなって来たからソロソロ…と
色んな準備が出来るのは
季節を何度も経験した大人の期待
初めて秋を自分の心と体で体験する時は
どんな気持ちになるのでしょうね?

探検の途中でスダジイを見つけたらどうしますか?

その美味しさを知ってる人は
嬉しくて夢中で拾い集めるでしょうね。

それを味わった事がない人は
「そんなに拾ってどうするの?」
と思うことでしょうね。

勿論、その味が合わない人もいるでしょう。

それぞれの季節の味わい方、
感じ方が今の自分だと思いますが、
ついつい、それを知らない人、
美味しいと感じない人に
「何で?こんなに美味しいのに」
と言いたくなりませんか?

感じ方はそれぞれですよね

これからの可能性を沢山秘めた子どもたち
知らないことが沢山待っている子どもたち
やりたいことが沢山待っている子どもたち
出来ないことが沢山、沢山ある子どもたち

その味わい方がその子
今の姿そのものがその子
それら全てが彼らの心と体に
色んな事を伝えてくれていると思います。

そんなことを想いながら
秋の道をゆっくり歩いてみませんか?

お子さんと一緒に

秋のせいかちょっと詩人になってしまった。

***

吉村正浩です。
今日は探検で見つける食べ物について,
書いていきますね。

探検に行くと,
たいてい食べられるものを発見します。

ニラ
ミント
カタバミ
フキ
ノビル
ミョウガ
クルミ
クリ
カキ
ムカゴ
里芋
スダジイ
アケビ
ムベ
モクズガニ
キクラゲ
などなど。

9月からの2ヶ月少しの間にも
たくさん見つけました。

また,魚釣をしている小学生から魚をもらったり,
みかんを取っているおじいさんから
みかんをもらったり。
畑に行けば野菜をもらったり。

「近くにこんなに食べ物があるんだー!」

と,小学生の子なんかは驚きます。

そう。
食べ物は店で買うものではなく,
身の回りにあるものなんですね。

それが当たり前の暮らしをしています。

もちろん,作ることも大切なので,
てくてくの畑で育ててもいます。

最近はたくさん取ってきたスダジイを
山盛りにして飾ってあるので,
小腹が空いたら
「炒ってください!」
とお願いされます。

なぜかてくてくの至る所からスダジイが発見されます。

*
冬の間に食べられるものはあるのだろうか。

魚釣も始めたいなぁ。

肉を食べる時は,
死を感じたいし,感じてほしい。

知らないだけで食べられるものもあるはず!
と,これからも広げていきたいと思います。

もちろん安全には気をつけて。
でも,キノコにも手を出したい…

しかし,学校ではそんな体験ができなくなっています。

10年前にはすでに遠足や修学旅行の
自然体験の中で見つけたグミやナツメなど,
「食べさせてはいけない」
が,常識となっていました。

修学旅行で地元のインストラクターの方が,
好意で「これは食べられるんだよ」
と紹介してくださるのですが。

「絶対に食べさせないように」
「事前に,子供には食べさせられないことを伝えておくように」

との指示がありました。

いい感じに染まっていた私は,
「今のご時世,その辺のものを
 食べさせるなんてやめてほしいな」
と思ってしまっていました。

徹底除菌された環境で育ち,抵抗力の低い子たち。
様々なアレルギーを抱えた子たち。

リスクが高いのは確かです。

「もしも何かあったら」
と考えると当然の流れだと思います。

その頃,近くの幼稚園では餅つきが無くなりました。

家庭科の時間は全てのものに
火を通さなければなりません。

最近は,食材のルートも指定されます。

学校で取れたビワを給食に出すために,
湯通ししてから出されました。

3.11以降は畑で作ったものを食べて良いか,
判断が分かれるようになりました。

どこまでも安心を追求していくと,
いつの間にか生きる力も安全も
どうでもよくなるのかもしれませんね。

わくわく子どもえんに行った時,
子供たちは生き生きと「道草を食べて」いました。

「食べられるものを教えているんですか?」

と聞いてみると,

「食べられるかな?と思ったら,
 まず皮膚につけてみる。
 ヒリヒリしなかったら
 ちょっとだけ舌の先につけてみる。
 ピリピリしなかったら少しだけ食べてみる。
 しばらく経って,大丈夫なら,
 食べられそうだね!
 ということで少しずつ。」

といった内容が返ってきて
目から鱗がポロポロと落ちました。

社会の方向とは反対で,
これが生きる力だと思いました。

だけど,よく考えると
ごく当たり前のことだと思いました。

だからてくてくの杜では当たり前のことを
やっていきたいと思っています。

生き物として,人間として。

生きるために当たり前のことをやる。

それが一般とは離れてしまっているので,
「理念の共有」と「大人が学ぶ」こと
が大切だと思っています。

これからも味覚を使って
自然を,季節を,生命を
感じたいと思います。

***

〜川口正人おすすめの本〜

鎌田 實 著
「いいかげんが いい」
( https://www.amazon.co.jp/いいかげんがいい-鎌田-實/dp/408781405X/ )

おすすめ文は価値観を押し付けて
しまうのであえて書きませんが,
まだ読んだことのない方には
ぜひ読んでいただきたい一冊です。