てくてくの暮らし

暮らしのリズム

川口正人です。

生活リズムの中心を
歩くことに置いている
てくてくの暮らしで、

スタッフも子どもも
歩く楽しみがグングン
ひろがっていると思います。

一日の時間割を考える時に
どこを中心にしていますか?

例えばお昼ご飯の時間は、
学校や職場では時間が決められていて、

お腹が空いていなくても
その時間にしか食べられないので
食べるしかないですね。


多くの保育園や幼稚園でも
食事の時間が大体決められていて、
遊びに夢中になっていても
そこで遊びを中断して
ご飯を食べないといけなくなっています。


お腹が減っていないのに
食べなくてはいけないご飯の味は
どうなんでしょうね?

ちょっと食べて満足して
遊びに早く戻りたい子どもや、
空腹ではないから食べ物を選んでしまう事も
多いのではと思います。

一方、その様子を見て大人は
勿体ないから食べ物を残してはいけない、
好き嫌いなく何でも食べましょうと
食べ終わるまで厳しい監視の目を
光らせてはいないでしょうか?


子どもの成長の為、
楽しく美味しく食べて貰おうと
頑張って作った愛情たっぷりのご飯ですから
その気持ちはよくわかりますが、
空腹ではないお腹にその気持ちは
届いていても食べられないので
許して欲しいと思います。


愛情たっぷりのご飯を
お腹一杯に食べるために大事なのは
「空腹」だと思います。

たっぷり遊んで満足した子どもたちの
「おなかへった〜」の声と共に用意されたご飯は
ただの塩おにぎりが最高のご馳走だと思いますので、
子どもたちの暮らしのリズムの中心を
遊びにして組み立ててみてはいかがでしょうか?

***

吉村正浩です。

てくてくの杜では,平均的に
14時くらいがお昼の時間となっています。

それは,10時過ぎに探検に出発し,

「お腹が空いた〜,帰ろ〜」

という声が出てから帰路について…

という流れだとだいたい
そのくらいになるということです。


日によっては12時前になることもありますし,

15時を過ぎることも時にはあります。


その日の活動内容,活動量,
朝ごはんの有無や内容等によっても
変わってくるのだと思います。

また,誰かが言い始めたら,

「ぼくも〜」「わたしも〜」

と,そこでふと,
空腹に気づくということもあります。

帰ってきていざ準備を始めると,
そこで新たな遊びが始まり,

なんだ,本当にお腹が空いたわけじゃないんだ

ということもよくあることです。


「お腹が空いた!」


という言葉も,
その言葉通りというわけではないようです。

何か気に入らないことがある。

いやなことがあった。

歩きたくない。

甘えたい。

などなど。

そういった別の感情を,
「お腹が空いた」と
表現している場合もあります。


毎日というわけにはいきませんが,

できるだけ,本当にお腹が空いてから
食べるご飯を味わってほしいなと思っています。


大学生の頃,自転車で
北海道を走っていた頃のことです。

朝キャンプ場を出て,
コンビニで朝ごはんを
食べようかと思って走っていましたが,
国道なのに80kmほど
コンビニがありませんでした。

70kmを超えたあたりで
全身の力が入らなくなり,
夏なのに体が寒くなり,
平らな道なのにペダルを
踏むこともできなくなりました。

ハンガーノックという状態です。

持っているのは水と乾燥したそうめん。

火を起こして食べるか,
もう少し進んでみるか。

車を止めて助けてもらうか。

朦朧としながらとりあえず
自転車にもたれフラフラ進んでいると,
ローソンが見えてきました。


それ以来,自分のお腹が空いた感覚と,
血糖がどのくらい下がっているかの
感覚が敏感になり,お腹が空いても,
「まだ大丈夫」と余裕を持って
過ごせるようになりました。

私の場合は危機管理が足りなかったのですが,
怪我をする経験,痛い思いをする経験と同様,
お腹が空く経験も大切だと感じました。


お腹が空く前に食べる。

喉が渇く前に飲む。

怪我をする前に止める。

寒くなる前に服を着せる。

ついつい先回りして
判断してしまいがちだと思いますが,

それではせっかくの経験する機会が得られません。

てくてくの杜では,
そういったネガティブと
捉えられる体験も大切にしています。

自分の体の声を聞ける子に
育ってほしいなと願っています。


***

〜川口正人おすすめの本〜

幕内 秀夫 著
「なぜ、子どもはピーマンが嫌いなのか?—まくうち流70点の食育講座 (西日本新聞ブックレット—シリーズ・食卓の向こう側) 」
( https://www.amazon.co.jp/dp/4816708065/ )

おすすめ文は価値観を押し付けて
しまうのであえて書きませんが,
まだ読んだことのない方には
ぜひ読んでいただきたい一冊です。