てくてくの暮らし

らしさって何?

川口正人です。
子ども達の様子をお伝えする中で、
「らしい」って何だろう?
と考えました。

僕らしさは僕が積み上げて来たものだけれども、
人が思う僕らしさと僕が思う僕らしさはちょっと違います。

皆さんも経験があると思いますが、
「あなたらしくない」って言われたことないですか?

普段人前では見せない顔をしていると、
例えば僕の場合は普段笑っている事が多いので
本来暗い顔をしているとよく言われるフレーズです。

年を重ねると付き合う人も増えて
自分らしく暮らすのが難しくなることも
多いのではないでしょうか?

子ども達と一緒にいる時に一番気にしているのが、
僕が思うその子らしさを押し付けていないか、
この子はこんな子だと決め付けていないかです。

外からの刺激と元から持っている自分との融合で
「らしさ」は築かれて行くのだと思います。

子どもの頃の僕は家庭が暗く辛かったので
外ではそれを見られたくないと
自分をごまかして明るく振る舞っていたので
年をとってからとても大変でした。

生まれて来なければ良かった
と思う事もありましたから
尚更に敏感になってしまいます。

これから歳を重ねて行く子どもたち、
いろんな困難がきっと待っていると思いますが、
それに立ち向かう為にも、
先ず持って欲しいのが
「生まれて来て良かった」という感情ですね。

その子の今の喜怒哀楽を一緒に感じながら、
暮らして行く事の大切さを
今更ながら感じているてくてくの暮らしです。


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吉村正浩です。

「らしさ」とはどんな時に現れるのでしょうか。

一つの体験を例に考えてみました。

図工の時間に絵を描きますね。
さて,どのように指導するかです。

初任の時は,好きなように,自由に,
その子らしく描いてほしかったので,
あまり指示や指導はせず自由に描いてもらいました。

では個性的な絵ができたか

いわゆるマンガ的な絵だったり,
友達のを真似て似たような絵を描いたり,
何を描いて良いか分からず全く進まなかったり。

絵の優劣ではありませんが,
何だか面白みがありません。

1人か2人は熱中して描き,
素敵な作品が描けていましたが,
多くはあまり思い入れも持てなさそうでした。

当たり前のことですが何かをしようとした時,
今までの経験の中からしかできることは選べません。

今まで絵を描いた技能の範囲内で,
「こんな絵を描いてみたい」
といった思いもないまま描く。
面白みがないのも当たり前だったのでしょう。

せっかくの時間を使うのだから,
何か経験を広げることは必要だと感じさせられました。

そこで色々実践を調べながら試す中で,
ワクを決めてある程度の不自由さの中でこそ
個性が出せるという考えが
しっくりきたのを覚えています。
それが正しいかどうかは分かりませんが,
やってみよう!と。

描くものや描く手順,色の塗り方など,
その時間に体験してほしいことを決め,
手順通りに描くよう指導しました。
といっても,その通りじゃないからダメ
ということにはならないように気をつけながらです。

かなり細かく手順を決めても
似たような絵になることは全くなく,
それぞれの個性がしっかり出ていました。

用意したワクに何が何でも合わせなければダメ!
としてしまうと急に窮屈になり,
個性は発揮できません。

かと言って完全に自由にすると個性を出す前に
たくさんの時間と準備が必要になってしまいます。

とりあえずのワクを決め,その中での自由。
時にワクから出ても「それもいいね!」という大らかさ。
その中で出せる個性もあるのでしょう。

絵を描く時でいうと,周りの目とか評価,
それなりのものを描きたいという思い。
そんな思いで描くとつまらないものになり,
そんなことは忘れて目の前に集中し,
熱中した時に個性が出るのだと思います。

そう考えると,やることを決めてしまうことで
余計なことは考えず,目の前にある絵に
集中することで個性が出て来たのでしょう。

遊びもそうかもしれません。
空間的,時間的な制約があったり,
大人の目があることで安心感や緊張感があったり,
時にはルールがあってできないこともある。

そんな中で工夫した時に
個性が出てくるのかなと思います。

安心して個性を出せ,
それをを受け入れてくれる環境。
それが大切なのかなと思っています。


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あるがままの心で 生きられぬ弱さを
誰かのせいにして 過ごしてる

知らぬ間に 築いてた
自分らしさの檻の中で 
もがいてるなら

誰だってそう 僕だってそうなんだ

♪

鈴江知明です。

「らしさ」という単語がテーマに決まった瞬間から、
この誰もが知る曲がずーっと頭の中で流れ続けています。(笑)


考えてみると日本人は特に、
「○○らしく」ある事を望まれる社会だなぁと思います。

「女の子らしく」
「男の子らしく」
「子供らしく」
「母親らしく」

誰が決めたかも分からないステレオタイプの中に
無理やり当て嵌めさせられ、
「自分らしさ」が何であるかを
見失ってしまいがちな世の中ではないでしょうか。

我が子に「自分らしく」生きて欲しいと願うなら、
親である私たちがもっともっと自分らしく生きる姿を
見せる必要があるのでは?と思います。

私の好きなことって何だろう。
やりたい事は?
どんな時の自分が好き?

自分の心の本当の声に敏感になって、
自分らしく自分の人生を楽しんでいる姿を見せる事。

それができると
「自分らしく生きて良いのだ」と
子供に自然と伝わっていくと思います。


いつか私は、
娘達が大きくなったら
「うちのお母さん、めっちゃ変わってる人でさー!(笑)」

と笑いながら友達に話されるような
めちゃくちゃ自分らしく生きている母親を目指します♪
(既に頷いてる人いますかね。笑)


ぜひ、
お父さんお母さんは自身の心の中にある
「らしさ」に焦点を当て、
正直に生きる姿を見せていきましょう。

それが「あなたはあなたらしく生きて良いんだよ」
という強い、生のメッセージになります。

我が子に望むなら、まず自分から。


さあ、
今週も楽しみましょう〜♪